痛みは心と体のSOS

痛みは心と体のSOS

痛みの強さの感じ方

「少し痛みますよ〜」とか「かなり痛みます」といったことを聞いたことはありませんか?では、普通の痛みとはどの程度の痛みなのでしょうか?痛みの程度を数値で表すのは大変困難なことです。なぜなら、痛みの感じ方は人により異なるからです。また、同じ人でもその時の心の状態によっても痛みの感じ方は大きく左右されるからです。

恋をすると胸が痛くなると聞いたことはありませんか?現在、痛みの研究が進み、身体の損傷による物理的ダメージと失恋などによる精神的ダメージを感知する脳の部位がほぼ同一であることが分かってきました。つまり、身体的損傷(骨折、切り傷、虫歯等)により脳が痛みを感じることは当然ですが、脳の感知部位が同一のため、物理的なダメージの影響により精神的な症状を引き起こすこともありえるということです。また逆に、精神的ダメージ(結婚、受験、就職等)により身体的損傷がないにもかかわらず、腰痛、顎関節症、歯痛等を引き起こすこともあります。

原因で痛みを分類1、「傷害受容性疼痛」けがや火傷をすると、その部分が赤く腫れます。腫れた部分には、痛みの元になる発痛物質ができます。それが神経の痛みを感じる傷害受容器を刺激して痛みを発生させます。2、「神経障害性疼痛」けがや火傷による腫れはないけど、神経が直接傷つくことによる痛みです。3、「心因性疼痛」例えば、受験生が試験日が近づくにつれて虫歯でもないのに歯が痛む人がいます。痛みは原因によって3つに分けることができます。しかし、現実にはこれらがいろいろなパターンで混在し、原因を特定することが困難です。だから、「痛み」は難しいです。(高橋)