痛みは心と体のSOS(舌痛症・関連痛)

痛みは心と体のSOS(舌痛症・関連痛)

舌痛症を知っていますか?

歯の尖っている所に舌が当たって痛むことを舌痛症だと思っていませんか?実は、舌痛症は口腔心身症のひとつです。舌痛症とは、舌を含む口腔内にも、また全身的にも全く異常が認められないにも関わらず舌に痛みを感じる状態を言います。実際お口の中に問題の無い方は非常にまれです。そのために臨床的に舌の痛みが舌痛症であるか否かを判断することは難しく、歯科医と患者さん共に悩んでしまうことが多い症状です。ただし、簡単な見分け方として、食事中や何かに熱中している間は舌の痛みを感じないことが多いようです。自分で判断することはできませんが、治療に関しては歯科や心療内科の診断を受けることが必要です。


関連痛、聞いたことがありますか?

「下の歯がいたむのに、実は上の歯に原因があった」「歯に原因があるのに、耳・こめかみ・頬などに痛みを感じる」と言った経験をしたことはありませんか?これは、関連痛と言って痛みを感じている場所以外が原因で起こる痛みのことです。痛みの原因となっている部位の神経が脳に届くまでの間に束にまとまるため、脳が痛む場所を勘違いすることで起こる現象です。

歯科の分野では、下顎の痛みが心筋梗塞の関連痛であることもあり、注意する必要があります。口腔領域は、特に関連痛が起こりやすい場所です。

この記事を書いた人

高橋 早希子

天野歯科 日本橋院 院長
1981年 日本歯科大学卒業
1981年 塩田歯科医院勤務
1993年 医療法人 真洋会 天野歯科日本橋診療所勤務