痛みとうまく付き合うテクニック(第3回)

痛みとうまく付き合うテクニック(第3回)

ペインクリニックと整形外科との治療法の違い

簡単に言うと、整形外科の治療は手術やリハビリテーション、薬を使って機能改善を図ることを主眼としています。例えば、膝が曲がらなくなったものを、人工関節にしてよくまがるようにする。腕が上がらなくなったら、手術をして上がるように機能改善するというわけです。

これに対してペインクリニックでは、まず神経の機能異常を改善し、症状の改善を図っていくことに主眼を置きます。つまり、姿勢が悪くなったのを、人工骨や手術で立て直すのではなく、まず痛みを取って患者さんが治療に参加できるようにする。その上で、患者さん自身の筋力、バランス力で姿勢を改善していくわけです。

痛みが減少したところで、患者さんに積極的に動いてもらうことが狙いなので、患者さん自身の治療への積極的な参加が欠かせません。患者さんとの二人三脚が非常に重要なのです。

実際、神経ブロックしながら、あるいは痛み止めを服用しながら痛みの治療を行う場合、患者さんが治療に積極的に参加してくれないと、なかなかうまくいきません。

 ゛65歳以上での症状別有訴者率゛を見ると、痛みの原因で一番多く挙げられたのは、やはり腰痛でした。2番目は手足の関節痛。3番目が肩こり。このあと、目のかすみ、もの忘れと続きます。3位まではまさに手足や体幹部にかかわるものばかりということになります。

なかでも腰痛は、今や誰もが持つ病の一つになったと言えます。これは人間の寿命が伸びたことも影響していると思われます。(高橋)