無理なく続ける運動と健康づくりのコツ(第8回)

無理なく続ける運動と健康づくりのコツ(第8回)

たとえば、「最近どう?なんか顔色悪いね」とか「あれはどう?」と気遣っていただけれることで、そのあと自分の病院の受診につながるなど、いろいろないい情報をもらえることにも関わってきます。よって一人ではなくほかの人と運動することの副次的効果もあり得ると考えられます。当然ですが、絶対に他の人と一緒にやってくださいと言う意味ではありません。自分だけではなくたまにはご友人、ご家族、近所の方々と一緒に何か体を動かす機会を設けると、よりさまざまないいことが得られる可能性があるという話です。

もちろん人とやると、自分もやらなければいけないと言ったプレッシャーにもなるわけで、これがネガティブに働く場合もありますが、平均的にはプラスに働くことが多く、より長く続けられる。自分一人だとなかなか続かないけれども、誰かを誘って一緒にやっているとお互いに「今日やるの、やらないの」という話が出てくることで、例えば、寒くて雨も降っていて出たくないなと思う日があっても、あの人と約束しているから仕方ないなと言って外出につながる。こういった小さな積み重ねが大きな違いになって出てくる可能性があります。

仕事はデスクワークばかり、でも週末に運動しているから大丈夫?

平日はあまり運動をしていないと言う方でも週末だけにかためて運動をすれば効果は十分にあることは分かっています。

運動の量がトータルで同じ人を、2グループに分けて、一方のグループの人は平日にコツコツ運動している方々。つまり、運動の量は百として、十、十、十、、、、と小刻みで1週間で百と言う人。もう一方のグループは0、0、0、,、、五十、五十という形で週末だけにかためてやっている人と分けた時に、二つのグループで寿命は変わませんでした。

ポイントは、トータルで週にどのくらい体を動かしているか。これはやはり強烈に効いてきます。かためていても量が少ない人は健康の恩恵はあまり受けられませんし、コツコツやっていてもその量が少ない人に比べればかためてドンとしっかり運動をしている人のほうが、長生きということが分かっています。どんなスタイルで日々の生活の中にとりうえるかは生活次第ということです。

ただし、座りっぱなしの時間が長ければ長いほど健康上よくないこともいろいろな研究でわかってきています。その影響もありまして、最近では職場に高さを調節できる机が普及してきて、あるときは座って、ある時は机の高さを高くして立ってパソコンで仕事をするとか、会議室に椅子を置かず、高いテーブルを用意してもちろん車椅子の方も参加できる形ですが、そういう形で会議する会社もあります。

副次的な健康以外の効果としては会議が早く終わる、意思決定が遠くなる。社員間のコミュニケーションが増えるとも言われています。(高橋)