膝.股関節進展筋力(立ち上がる筋力)の加齢変化は、20歳をピークに減少します。両足で体重の2倍の力が出なくなると危険信号です。さらに、加齢とともに骨密度(BMD)も減少します。特に女性では閉経後、急速にBMDが低下します。一番低下するのが大腿骨頸部です。大腿骨頸部骨折は、日本で1年に12万件も生じています。
転倒しなくても要介護なることもあります。閉じこもり、独居、貧困などの社会的問題、認知機能障害、抑鬱、意識低下などの精神心理的問題により活動性が低下し、消費エネルギー量の低下から、食欲低下、低栄養、体重減少から、サルコペニアになり、要介護なることもあります。筋量の減少は骨密度の低下にも関連します。
筋肉の働きの2つめは体温を保つための熱源として内臓脂肪を燃焼します。熱産生に関わる新たな筋タンパク質をサルコリピンといい、非震え熱産生は、褐色脂肪といい、脱共役タンパク質ともいいます。サルコリピンは、体熱産生の主要タンパク質で、筋小胞体カルシウムポンプを空転させます。
体温維持のしくみとして、熱産生は、ふるえ熱産生と非ふるえ熱産生があり、ふるえ熱産生は、筋肉の微細な収縮(ふるえ)に伴う熱産生で非ふるえ熱産生は、筋運動を伴わない熱産生で熱源は骨格筋、肝臓.腎臓、褐色脂肪などです。(高橋)