肺がん疾患啓発キャンペーンの市民公開講座に行きました(第12回)

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薬物療法ではどのような副作用がいつごろ現れますか?

白血球減少のような自覚のない副作用、薬を投与してから約1か月後に出る手足のしびれのような自覚できる症状など、治療薬の副作用は一様ではありません。

肺がんの治療では、さまざまな薬物が使われ、それぞれによって副作用の症状や強さ、出現する時期が異なります。また、症状の出方には個人さが大きいことも知られています。治療に使っている薬の名前とともに、出現しやすい副作用やその対処法についても知っておき、できるだけ治療を中断せずに続けられるようにしたいものです。非小細胞肺がんでも小細胞肺がんでも、治療の主流となる抗がん剤の副作用で、最も気をつけたいのは、白血球、好中球、血小板、ヘモグロビンなどが減少する骨髄抑制です。治療開始後1~2週間で出現しますが、自覚がないため、血液検査で指摘されることになります。

また、パクリタキセル、ドセタキセルなどでは、手足にしびれや痛み、ピリピリした感覚などが出る末梢神経障害、S-1、テガフール・ウラシル配合剤などでは手足の痛み、腫れ、水ぶくれが出る手足症候群に注意が必要です。手足症候群は使用後1~2か月して出てきます。抗がん剤で一般的に出やすい副作用の一つである吐き気や嘔吐に対しては予防薬が処方されるため、心配しすぎないことです。

一方、分子標的薬では、標的となる分子が違うため、重大な副作用は異なります。また、出現時期も薬剤で異なります。例えば一般的に出現時期が遅いと考えられている間質性肺炎の場合、EGFR阻害剤の中には比較的初期に発現する薬剤があるとの報告もあります。

いずれにしても、体調が変わったときには担当医や看護師、薬剤師に相談します。とくに外来化学療法や経口薬で治療する患者さんは、病院以外の場所で具合が悪くなった時の対処法や連絡先を確認しておく必要があります。

どんな副作用がいつごろ現れるのか知っておきましょう。

自分でわかる副作用:投与してすぐに急性の吐き気・嘔吐、アレルギー反応(血圧低下・呼吸困難)、便秘・下痢。8日目くらいで遅延性の吐き気・嘔吐、食欲低下、全身倦怠感、便秘・下痢。22日以降で皮膚障害。29日目くらいで口内炎、下痢、全身倦怠感。数か月くらいで手足のしびれ感、味覚障害。その後脱毛。

検査でわかる副作用:8日目くらいで白血球減少、血小板減少。20日くらいで肝機能障害、腎機能障害、心機能障害。25日くらいで貧血。数か月後くらいで間質性肺炎。

副作用の発言頻度や程度、現れる時期は、治療薬の種類や個人によって、差があります。(高橋)