日本の死亡率の推移としては、悪性新生物が高齢化のため、全人口が増加したため、毎年増加しています。脳血管疾患と心疾患はここ年減少しています。肺炎は少し増加傾向にあります。がんは全世界的な健康上の課題で、日本は、一生のうち、男性は2人に1人、女性は3人に1人ががんになり、年間30万人を超す人ががんで亡くなります。
がんの原因としてはたばこが30%食事が35%感染症ウイルス、細菌が10%、その他が25%です。
世界のがん対策としては、①予防できる癌は予防する②早期発見できるがんは検診する(子宮頸がん、乳がん、大腸がん、胃がんなど)③治療できる癌はきちんと治療する④治せないがんには緩和治療を提供する。
がんの一次予防としては、喫煙、食事、感染症が重要です。たばこはすわない。すっていたらやめる。アルコールはひかえめに。運動をして肥満を防ぐ。塩分を控えて、野菜や果物を多く食べる。といった単純な生活習慣を実践する。サプリメントや健康食品でがん予防に有効と証明されたものはありません。
20才以上の喫煙率は1965年当時男性82.3%女性15.7%でしたが、現在では男性36.8%女性9.1%でかなり減少しています。
感染症対策としてはⅭ型肝炎ウイルス(肝臓がん)ヘリコバウダーピロリ菌(胃がん)ヒトパピローマウイルス16、18型(子宮頸がん)の対策があります。
しかしながら我が国のがん検診の受診率が低いのは問題です。対象臓器は胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんの5つです。胃がんは20%前後、子宮がんも20%くらい、乳がんは15%くらい、肺がんと大腸がんは15%位下の受診率です。アメリカでの乳がんの検診率は85%、子宮がんは82.6%です。がん死を減らす上で受診率を当面50%を目標として、地方自治体は頑張っています。
生活習慣病とがんは関連性があり、両者の危険因子はほとんど重なります。
そこで、よく噛んで食べるという週刊は、健康や長寿のためにすべての世代で重要です。大人もよく噛んで食事をしまいと肥満になりやすい。高齢者の健康維持には噛む力は特に重要です。よく噛める動揺のない歯が多ければ、記憶力や運動能力が高くなります。wHOはむしばや歯周病による抜歯、歯の喪失で起きる食事の際の障害を減らすために、国毎に目標値を設定しようとしています。日本の現状は8020ではなく8013くらいです。スエーデンでは8025です。我が国では、すべての世代で、定期的に口腔ケアを受ける体制の確立が求められます。(高橋)