ⅭOPⅮの方が呼吸機能検査を行うと、気流閉塞といって息を素早く吐き出せない現象が見つかります。フローボリューム曲線という息を思い切り吸ったり吐いたりしたときの肺活量をグラフにしたものがあります。健康な方は息を吸って力いっぱい吐くと「ビューッ」と勢いよく吐き出すことができます。ところが、ⅭOPⅮの方は、まず吸う時点で健康な方よりも吸う量が少ない。さらに息を吐く際はもっと吐けない。健康な方とⅭOPⅮの方のフローボリューム曲線を比べてみると、それは一目瞭然です。また、呼吸機能検査をしっかり行うと、肺が壊れているかどうかも分かります。
喘息は気道を壊す病気ですが、ⅭOPⅮは気道だけでなく気道の先にある肺胞も壊す病気です。肺胞とは酸素を体に取り入れ、二酸化炭素を体の外に出すための場所のことです。空気を吸って肺胞に空気が入ったとき、血管に酸素が入ります。次にその血管の中にある二酸化炭素が肺胞の中に放出されます。その後、肺胞はしぼみ。二酸化炭素が対外にでていくわけです。それが肺と言う臓器の正常な活動です。
ところが、ⅭOPⅮになると、その風船が壊れてしまいます。ⅭOPⅮの人の風船はしぼみ切る事ができません。どんどん吸う事はできるのですが、吐いても全部を吐き出せない。すべて吐き出せないまま吸っていくので、風船はどんどん大きくなってきて、そしてある日突然「バン!」と腫列してしまいます。これが肺気腫です。ⅭOPⅮにおける典型的な症例といえます。喘息の症状は夜から早朝にかけて息苦しくなったり、咳が出たりしますが、ⅭOPⅮの場合はそうではなくて動いた時に息苦しいという労作時の呼吸困難が一般的な症状です。
この息切れの原因をエアートラッピング(動的過膨張)と言います。また肺胞を風船のイメージで風船に空気を入れることができない。これがⅭOPⅮの肺です。風船自体が弱くなってしぼまない。だから、空気を吐き出せないのです。その結果、肺に空気が溜まり、次にしっかり吸うことができない。これがエアートラッピングです。エアートラッピングは特に階段を昇るときなど、息を吸ったり吐いたりが激しくなるとよく生じます。ⅭOPⅮの患者さんが階段を登るときに息苦しくなるのは、肺の中にどんどん空気が入って来て