都立駒込病院の公開講座に行きました(第5回)

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どの様な方が子宮体がんになりやすい?

多くの子宮体がんの発生には、卵胞ホルモン(エストロゲン)と言う女性ホルモンが深く関わっています。卵胞ホルモンには子宮内膜の発育を促す作用がありますので、卵胞ホルモンの値が高い方では子宮内膜増殖症と言う前段階を経て子宮体がん(子宮内膜がん)が発生することが知られています。2つの女性(卵巣)ホルモンは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)で卵胞ホルモンは卵胞から分泌され、基礎体温は低温で、子宮内膜を増殖されて、脂肪細胞でも少量作られます。黄体ホルモンは排卵後に京成される黄体から分泌されて基礎体温は高温で子宮内膜の増殖を抑えて、妊娠中に豊富です。

子宮体がんの危険因子は?

出産したことがない、肥満、月経不順(無敗卵性月経周期)がある、卵胞ホルモン製剤だけのホルモン療法を受けている方などがこれにあたります。一方、このような卵胞ホルモンの刺激と関連なく生じるものもあります。このようなタイプの子宮体がんはがん関連遺伝子の異常に伴って発生するとされ、比較的高齢者に多くみられます。そのほかにも高血圧、糖尿病、近親者に乳がん・大腸がんを患った方がいることなども危険因子として知られています。(家族性腫瘍)

どのように治療するか?

治療の主体は手術です。病気の進み歩合にもよりますが基本的には子宮、卵巣・卵管、リンパ節を摘出するのが一般的です。初期の子宮体がんでは腹腔鏡下手術が保険適応となっており、施設によって条件が満たせばより低侵襲な手術も可能となっています。手術により再発危険因子が見つかったり、あるいは診断した時点で手術による病巣の完全摘出が困難な場合には、抗がん剤治療(化学療法)や放射線治療が行われます。

温存療法は?

子宮を温存し妊娠の可能性を残す治療を希望される方には、ホルモン治療が選択できる場合があります。ただし、ホルモン治療の適応となるのは、初期の子宮体がんで、しかも一部のタイプのものに限られるので注意が必要です。

早期子宮体がんでは開腹手術と腹腔鏡手術があります。3年再発した方の割合が開腹手術では10,2%腹腔鏡手術では11,4%。5年生存された方の割合は開腹手術では89,8%、腹腔鏡手術でも89,8%です。術中合併症は腹腔鏡手術が多く、術後合併症は開腹手術が多く、腸閉塞が多いです。(高橋)