都立大塚病院の公開講座に行きました(第3回)

都立大塚病院の公開講座に行きました(第3回)

変形性膝関節症の症状としては、膝関節痛の初期;動き始め、歩き始め、長歩き中期;持続性の痛み、動きの低下、階段(特に下り)末期;痛みのために日常生活の制限・曲げ伸ばしの悪化・変形(O脚)。末期は70~80歳台が多く、痛み特に荷重時痛、歩行時痛から歩行困難、外出困難になります。日常生活動作での膝関節の曲がりは正座で約150度、自転車こぎは約120度、畳からの立ち上がりやしゃがむ動作は約100度、椅子からの立ち上がりや階段からの上り下りは約90度、歩行は約65度です。

変形性股関節症、膝関節症の治療としては、すり減った骨や軟骨が元に戻る事はありません。しかし、治療によって進行を遅らせたり、痛みを取り除くことはできます。主に大きく分けて保存的治療と手術治療に分かれます。

日常生活の注意と工夫としては、①体重のコントロールで、体重は関節症悪化の要因で、体重が1kg減ると関節への負担は2~3kg減る②洋式の生活(ベッド、椅子、洋式トイレ)への転換は動きの悪化、運動時痛の対策③杖の使用は関節への負担が20%減る。

保存的治療は、運動療法、温熱療法、装具療法、薬物療法があります。

筋肉は20歳がピークで、50歳からさらに低下して、80歳では20歳の30~40%低下します。適切な運動で、衰えを緩やかにできるばかりかむしろ年をとっても強化することができます。筋肉は関節を守ってくれます。糖尿病の予防にも有効です、でも、すぐには効果はでません。2ヶ月は持続しましょう。大腿四頭筋体操と中殿筋体操が効果的です。特に水の中での体操は重力がなくなり、関節への負担が減ります。水の抵抗も有効です。お風呂の中で、膝を伸ばす運動や、膝を下に押し付ける運動が良いです。プールで歩くのもよいです。

装具としては、サポーターと足底板があります。サポーターは関節を安定させ、保温効果があります。足底板は足の裏の外側を高くしてO脚を矯正して、体重のかかる力を外側に分散します。(高橋)