無理なく続ける運動と健康づくりのコツ(第4回)

無理なく続ける運動と健康づくりのコツ(第4回)

「できれば」という目標値ですが、1日60分、あるいは65歳以上の方は1日に40分、どういった形でもいいので体を動かす機会があると良いだろうと思います。これは普通に歩くことを含んでいて、買い物中のぶらぶら歩きも含めて65歳以上の方で1日40分くらいあるとバッチリ、最高ですねということを示しています。この60分というのは、絶対にここまで行かないと効果がないと言う数字ではなく、長生きに、体を動かす観点から良いだろうを言う、いわば理想値のような数字になります。

分かっていることは、体を動かす量(トータル)と長生きするかどうか、死亡リスクは少しの量で大きな違いが出る。これが一番のポイントとなります。僅かな量でも効果はありますので、まずは1分、1秒でもいいので動いてみる、そして、立ってみることがポイントになります。

がん、心臓病、脳卒中などの脳血管疾患に加えてほかにも、うつ病の予防や改善にも体を動かすことが効果的だと分かってきています。最近ではうつ病の患者さんの治療の1つに体を動かすことも組み込まれつつあります。認知症の予防にもいろいろな研究結果が出ています。1つ有名な研究では、例えば、1年間ウォーキングを1日40分、週3回程度行った高齢者の方々の海馬(記憶を司る脳の領域)の体積が増えたという結果が出ています。これは通常の加齢現象として体積が縮んでいく部分になりますが、この体積が逆に増えたという報告であり、さまざまな記憶能力の向上も見られたという成果も出ていますので、このあたりは期待される所です。いずれにしても、認知症、あるいは食習慣が重要な肥満は別としても、ほかにさまざまな運動上の効果がありますので、運動をしたほうが得であるということは確実に分かっています。(高橋)