東京大学の公開講座に行きました(第1回)

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「今年の冬必要なインフル

エンザ対策」

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスを疫原とした感染病です。生命にかかわる疫病で、急激に発病します。インフルエンザは万病の元です。風邪は万病のもとではありません。幼児はインフルエンザ脳症で毎年50~200人死亡して、致死率は10%です。意識がおぼろげになり、意味のない発言をします。高齢者は肺炎になります。インフルエンザの合併症のうち、心筋梗塞があり、インフルエンザB型では約10倍心筋梗塞になりやすく、インフルエンザA型も約5倍心筋梗塞になりやすいです。インフルエンザの感染後1年以内に毎年1000~1万人死亡していて、食道がんの死亡率の同じくらいです。

インフルエンザ対策には免疫が大切です。ワクチン、栄養、睡眠が大切で、症状が出たら内科に早めに受診しましょう。抗ウイルス剤も大事です。予防投薬も保険外にはなりますが、インフルエンザにかかった人と接触した場合は予防投薬を受けましょう。効果はあります。

1580年ローマだけで8000人死亡したという報告があります。

1918年のスペイン風邪流行と2018年の違いは2018年はインフルエンザウイルスによって引き起こされるインフルエンザの型がわかるとワクチンがあります。抗ウイルス剤もあります。ペニシリンなどの抗菌剤もあります。情報があります。病院に受診できます。しかし、65歳以上の高齢者が増加しています。1918年ではわかっていませんでした。細菌より小さい物ではないか?インフル菌ではないか?その後1933年に顕微鏡発明。インフルA型発見。1945年ワクチン開発。そして、やっと2001年日本で抗ウイルス剤使用が認められました。

インフルエンザウイルスは顕微鏡では見えません。PⅯ2.5は25μm、インフルエンザウイルスは0,1μm、細菌1,0μm、飛沫30~50μmなので、インフルエンザウイルスはかなり小さくマスクをしてもマスクの繊維より小さいという事です。

インフルエンザはA型、B型、Ⅽ型、実はⅮ型もあります。A型は鳥インフルエンザに代表され、症状が強く、突然39℃以上の熱が出ます。自然界でヒト以外鳥類や豚などから感染します。B型は近年流行していて、1940年に発見されました。症状はA型より軽く人からの感染です。Ⅾ型は人間には感染しません。Ⅽ型はA型とB型のミックスです。昨年から今年はB型が流行しています。

A型ウイルスのモデルチェンジは大規模で2009年の新型インフルエンザがあります。モデルチェンジすると、免疫を持っていないのでたいへんな重病になります。B型のモデルチェンジは小規模です。いままでの大流行はスペイン風邪、アジア風邪、香港風邪があります。

インフルエンザワクチンは1945年にアメリカで開発され、日本では1952年以降1957年に本格的開発になりました。インフルエンザの予防注射は12月までに注射しましょう。注射後2週間で免疫がつき、ピークは1か月後で3か月後まで抗体はあります。以前予防注射でアナフィラキシーショックを起こしたことがある人はやめましょう。(高橋)