大腸がんの化学療法で現れる主な副作用と対処法
手足症候群。手足の先や爪などが赤くなったり、チリチリするような感覚が出始めたら、あらかじめ処方されているステロイド外用薬を塗り、症状の確認のために必ず病院に連絡する。
末梢神経症状。寒冷刺激に誘発されやすいため、冷たい物を触ったり、飲んだりすることを控える。身体を冷やさないよう手袋、靴下、スリッパを利用する。しびれが持続する場合は、薬の量を減らしたり、投与間隔を延長したり、治療を中止したりして対処する。
白血球・好中球の減少。人混みを避ける。うがい、手洗いを積極的に行う。細菌対する防御力が低下し、発熱や感染を起こすリスクが高まる。
吐き気・嘔吐、食欲不振。予防的に吐き気止め薬を服用する。水様性の下痢が続くときは下痢止めを使用する。脱水症状にならないように温かい飲み物をこまめに摂取する。.
脱毛。シャワーキャップを被って寝る。布団に髪の毛が落ちるのを防ぎ、脱毛に不快感を軽減できる。洗髪の際、頭皮を傷つけないように爪を短く切る。必要に応じてかつらを利用する。
高血圧。毎日、決まった時間に計測して、ノートに記録し、外来診察時に担当医に報告する。自覚症状がないことが多いので要注意。
皮膚症状。症状が出る前から保湿剤でスキンケアを行う。症状が出始めたら抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬で早めに治療する。
こんな症状が出た時にはすぐ病院へ連絡を!高血圧(収縮期血圧160mmH以上、拡張期血圧100mmHg以上)か、それに吐き気、頭痛、胸・背部痛、呼吸苦、めまいなどを伴う時。38℃以上の発熱や息苦しさ、空咳が続く。下痢がひどく、水分も取れない。出血が止まらない。手足のピリピリ感、痛み。夜間・休日の緊急時の連絡先と連絡方法を、分かりやすい場所に貼っておきましょう。
再発とはどのような状態のことですか?
手術でがんをすべて切除できたと判断されても、手術で切り取った範囲の外に”飛び火”(転移)した少量のがん細胞が残っていることがあります。手術後、その残っていたごく小さながんが少しずつ大きくなり、目に見える(画像に写る)大きさになって現れることを、がんの「再発」といいます。
定期検査が大切。大腸がんの再発は、手術から数か月で再発することもあれば、何年も経ってから再発することもあります。大腸がんが。再発した患者さんのうち、約80%が手術してから3年以内、95%以上が5年以内に再発が見つかっています。このため、手術を受けてから最低5年間は、定期的に検査を受ける必要があります。
再発が起こっても、早期に発見できれば再び手術を行うことで完治する可能性があります。手術で切除することができなくても、化学療法や放射線療法により生存期間を延ばすことが期待できます。定期検査を怠ると、再発の発見が遅れ、適切な治療を受けるタイミングを逃してしまう可能性があります。定期的に受ける検査の種類や間隔は、ステージや患者さんの状態によって若干異なりますが、医師の指示に従って、きちんと定期検査を受けるようにしましょう。
一人で悩みや不安を抱え込まずに相談しましょう。再発を告知されたときは、初めてがんと告げられたときよりも強いショックを受けるかも知れません。しかし、大腸がんの場合は、再発を繰り返しても元気に生活している人がたくさんいます。治すことが難しい場合も生活の質を保つことを重視し、がんの症状を和らげる化学療法や緩和ケアが行われます。担当医とよく相談して、治療に関する患者さん自身の希望をしっかりと伝え、前向きに治療を受けることが大切です。悩みや不安、痛みなどは親しい友人、知人、医療相談室のスタッフなどに伝えましょう。