昨年、認知症の講演会に行きました(第1回)

昨年、認知症の講演会に行きました(第1回)

認知症の人は、困った人イコールではありません。社会とメディアが作ったイメージで本人と介護者を苦しめています。。何に対して対策をするか?①社会がいかに特別視せずに受け入れることが出来るか❓②どうやって本人の気持ちを理解できるか?③本人を尊重し、生活を診ることができるか?

認知症のサイン:ごく最近あったことを忘れている、予約や約束、電話の内容をすっかり忘れている、同じ話を何度も繰り返す、リモコン操作ができなくなった、身だしなみを気にしなくなった、妻(夫)が外で男(女)と会っているという、知らない人が居間にいたなどと言う、家族に他人行儀な言葉遣いをsることがあるなどです。

「治る」認知症はごくわずかです。本当の認知症のうち7割がアルツハイマー病で、治らないので治さなくていいです。治ったら、もともと認知症ではありません。本当の「回復」とは忘れても元気で楽しく生活することです。2012年の年齢層別の認知症有病率では、85歳以上のほぼ2人に1人は認知症です。そのため病気なのか?普通に起こる老化現象ではないか?

認知症の危険因子はなくせるか?糖尿病、高血圧、運動不足による生活習慣病は血管性認知症が中心で、予防できます。アルツハイマー病は異なります。加齢(長寿)は確実最大の危険因子で治せないので予防不可能です。

認知症は、脳の病気だろうか?脳の病的視点、脳機能欠損で生活障害は克服でき、矯正すべき病気で、薬で治療できます。生活的視点では、自尊心が傷つき対人関係が崩れます。脳の働きは悪くてもいいではないか?自己肯定感(自尊心)の回復・維持。周囲に役割を認められつつ、張り合いのある生活を送る。残った脳機能で生活しましょう。

4大認知症と治る認知症があります。4大認知症とは原因不明のもの(脳の変性疾患)と、原因が脳梗塞や脳出血に分かれます。原因不明ものには①アルツハイマー病=海馬(側頭葉)の萎縮で物忘れ、日付を間違う、料理や支度が出来ない、道に迷う②レビー小体型認知症=後頭葉の機能低下で人物幻想(あとまで覚えていられる)、パーキンソン症状(動作緩慢、体が固い、手の震え),覚醒レベルの変動、レム睡眠行動異常③前頭側頭型認知症=前頭葉の機能低下で性格変化(だらしなくなる)、活動性低下、社会倫理欠如(万引き、セクハラ)、食事嗜好の変化。原因が脳梗塞や脳出血は血管性認知症で物忘れ、集中力低下、活気の低下、性格変化(怒りっぽい、不機嫌)、せん妄(急に混乱、妄想、幻視)高速・出血の場所によっても障害が異なります。

心は正常でも乱れやすいです。高齢者の不安は忘れること、できなくなることで、対人関係がうすれて、社会・家庭内の役割を失くすことです。周囲の介護対応で孤独・疎外感、自尊心(プライド)低下、居場所のなさ、自己否定の気持ちをひどくさせます。4大認知症は薬では治療できません。良い介護は最高の治療薬です。(高橋)