昨年、認知症の講演会に行きました(第3回)

昨年、認知症の講演会に行きました(第3回)

認知症の確実な予防はありません。血管性認知症は原因となる脳梗塞、脳出血を防ぎ、糖尿病、高血圧、高脂血症など生活習慣病にならないように気をつけて、節制した食生活(+禁酒9、適度な運動、まめな検診・受診。アルツハイマー病、レビー小体型、前頭側頭型認知症は決め手になる予防法はありません。節制した食生活(糖尿病が危険!)、有酸素運動(スタスタ早歩き20分)、楽しめる趣味、打ち込める事、好きな人(話相手)を持つ、無理な訓練はあまり意味がありません。

予防その1:糖尿病は万病の元でアルツハイマー病は4,6倍、がん死亡は3,1倍、心筋梗塞は2,1倍、脳梗塞は1,9倍発症しやすいと言われています。糖尿病が、失明などの合併症に加え、様々な病気の温床になることが浮かび、その対策の重要性が改めて示されています。

予防その2:アルコールの「毒」。禁酒は、すぐにできる治療・予防法!「波平さん」は反面教師。百薬の腸ん(お酒)の効果のある「少量」とは?65歳を過ぎたら禁酒宣言の勧め。飲み過ぎは、ますます老ける。アルコール依存症の平均寿命は52歳で肝硬変、肝臓がん、脳梗塞、心筋梗塞、認知症、歩行困難、排泄不如意なども併発します。

どこで診てもらうか?周囲が「おかしいな」と思ったら、ためらわず早めに相談(地域包括センターなど)または受診しましょう。受診は、「物忘れ外来」または認知症をみる精神科へ行きましょう。認知症を見る内科でもいいです。脳神経外科、心療内科、認知症を診ない精神科はよくないです。神経内科は三角です。本人のプライドを傷つけない言い方で受診を勧めましょう。嘘も方便です。忘れっぽいから一度念のために診てもらいましょう、みんなも検診に行っているから行きましょうなどと言いましょう。拒否の強い人には付き添いを頼みたいから一緒に行ってねなどと言いましょう。

「かかわり・対応」が症状を変えます。プライド(自尊心)を傷つけない。プライドがない人はいません。プライドは生きる糧です。なぜ怒るのか、拒否をするのか、暴力を振るうのかよく考えてみる。対応の工夫をしてみる。理解ある精神科医に相談してみましょう。せん妄、不眠など薬物療法でないと治らない症状もあります。精神科医に相談しましょう。

接し方のタブー⑴指摘しないこと。いくら言っても治らない、逆効果です。⑵議論しないこと。妄想や幻覚の訴えを否定しない。⑶怒らせないこと。介護者の顔を見るだけで怒る。この3つができないとプライドを傷つけられ、劣等感、被害妄想感が強まる。介護者に拒否的になったり、妄想を抱いたりする素地になりかねない。

介護者の健康を保つために①介護サービスを上手に利用する。②自分だけの(趣味の)時間をもつ。③「任せる」ことに罪の意識を持たない④相談できる相手を持つ⑤無理なら在宅介護をやめてもいいという感覚を持っておく。⑥介護の経験が人生で意味あることと考えられること。(高橋)