昨年、地域医療講演会に行きました(第2回)

昨年、地域医療講演会に行きました(第2回)

在宅療法の一般的推移は①在宅開始期:退院してすぐ②在宅生活安定期③症状変化期:熱が出た、食べられないetc③体力低下期④看取り期。看取るのは介護者ですが、それぞれの時期をどのように介護者をエンパワーメントし続けるか?

在宅開始期は3~7日で生活再建をする。入院中から引き続き行っている継続療法を円滑に継続し、家屋内生活のQOⅬを改善する。特に環境整備・ケア体制整備を行い、家の中での生活を安心してすごせるように工夫する時期です。在宅開始期の対応方法:まずは自宅での生活安定を目指しましょう。この1週間はいろいろご不安もあるでしょうから、医療者は不安解消に努めます。

在宅生活安定期は外出や旅行、趣味の復活など生活のさらに質を高めるためにどうするかどうするかを検討し、実現する時期です。在宅生活安定期の対応方法はようやくご自宅での生活も順調に過ごされるようになりました。今後はより良い生活を目指して、リハビリや外出する機会を増やしましょう。しかし、癌では短く1日くらいの場合もあります。いい思い出を作りましょう。

症状変化期は新たに生じた症状に対して、在宅で症状緩和を図るための新規の医療的対応(在宅酸素の導入や吸引機・吸入器の導入など)を要する時期です。この段階で、本人希望を汲み取りさらに医療的状況・身体状況などを踏まえて全体の療養方針の再確認をする必要があります。(この時期を医療者が安心して過ごすことが出来るかどうかで在宅ケアが継続できるかどうかがほぼ決まるようです。)症状変化期の対応方法はまずはご本人が家での治療をご希望されているので、家でできるだけの対応をしていきたいと思います。家族も不安なので医療者はなるべく頻繁に訪問していつでも連絡してもらいます。

体力低下期とは療法の見直しをしつつ、その時の患者さんの体力に合わせた生活環境整備・ケア・体制整備を行う時期です。ここでも、さらに本人の意思を確認しつつ、改めて介護者への病状理解、協力を求める必要があります。体力低下期の対応方法は少しずつ体力が低下してきているので、今後は週単位で色々なことが出来なくなることが予想されます。無理な医療的対応や体力改善を図る治療を行うことは難しいですが、自宅でも痛みや合併症なく穏やかに過ごすことは可能えす。ケアマネさんと連携してなるべく介護負担がなくご本人にとってもご家族にとっても意義深い療養ができるように医療者はお手伝いします。(高橋)