もう一つのポイントは、痛い所はどこかという事で見分けられます。
膝:もし膝が痛いと、それは目をつぶっていても変形性関節症です。リュウマチで膝が痛い方もたまにいますが、変形性関節症は有病率がとても高く、80歳の女性は7~8割、80歳の男性は6割以上が変形性関節症です。それに対して、リュウマチはもう少し若い世代、50歳くらいまでになる方が多く、有病率は1%以下です。
股関節;股関節とは脚の付け根、ちょうど股の付け根、ちょうど股の横あたりです。お尻のところで痛みを感じる方もいますが、ほとんどが変形性関節症です。
腰;腰が痛い方はみんな変形性関節症です。「ヘルニアはどうなのですか」と聞かれることがありますが、実はヘルニアというものはみんな持っています。実は、急性のぎっくり腰の方はほとんどが1週間以内にある程度以上は良くなります。そのときに足がしびれていたり動かなくなったり、あるいは横になっても全く痛みが取れないとか発熱などの危険信号がなければ、基本的には腰椎ヘルニアもしくは椎間関節症という脊髄の変形性関節症ですからⅯRIを撮っても意味がありません。そのため、急性で痛みが出た腰については痛み止め処方し、動いてくださいと言われます。
首;首が痛いのも変形性関節症です。
肩;肩の痛みは変形性関節症か、いわゆる五十肩です。変形性関節症は関節の軟骨の病期ですが、肩はとても複雑な関節で柔らかい組織が周りにたくさんあって複雑な動きをしています。それがちょっとうまく行かなくなって、突っかかったりすると五十肩という状況になります。手を横から上げてみても上まで上がらず、突っかかって途中で上がりません。そうすると五十肩です。
手;もし手が痛いのであれば、それは変形性関節症の可能性もありますが、関節リュウマチかもしれません。
足:足が痛いのも変形性関節症か関節リュウマチ両方の可能性があります。
手の関節の痛みについて
手の指の第一関節:体から一番遠いところにある手の関節が痛い場合変形性関節症です。第2関節:もう少し体の中心に近い手の関節が痛いなら変形性関節症か関節リュウマチになります。手の付け根の関節:手の甲の一番端、しわしわになっているところに関節がありますがここが痛いとそれはリュウマチです。親指の付け根の関節:ここが痛い方が多いのですが、それは変形性関節症ですから心配は要りません。ここは非常によく起こります。親指側の手首の付け根:ここが痛い方も基本的には変形性関節症です。手首:手首が痛いのであればそれは関節リュウマチかもしれません。
足の関節の痛みについて
母趾(親指):外反母指は女性に多いのですが基本的には変形性関節症です。しかし、そこに強烈ないたみが起きて熱を持ってくると、それは痛風です。痛風とは血液中の尿酸値が高くなり 、そこに結晶ができて痛くなる病気です。小趾:ここが痛いのも変形性関節症です。先の尖った靴を長年履いてきた方は、小指も内側にグッと内反することがよくありますが、そのような方も変形性関節症です。第二~四趾関節:この関節にもし問題が起きると、それは関節リュウマチです。親指と二~四指関節では違います。歩くたびに足の裏に何か踏んでいるような感じがあったら関節リュウマチです。(高橋)