帝京大学の公開講座に行きました(第2回)

帝京大学の公開講座に行きました(第2回)

長生きするための10のコツとは?

少し前の話ですが、イギリスの新聞「タイムズ」が保険会社のデータを解析したところ、長生きのコツが見つかったという記事を出していました。その「長生きする10のコツ」は次の通りです。①結婚して配偶者とともに生活する。+1年②健康な体重の維持+3年BⅯIが40以上だと寿命が4年縮まるのです。これはイギリス人の話で、日本ではBⅯI40以上の人はいませんが、18,5未満でも寿命は2年縮まります。要するに太り過ぎても痩せすぎても良くないという事です。③禁煙する+10年これは本当で、1日20本たばこを吸う人と比較して吸わない人は10年長生きできます。④常に笑う+8年1日15分、笑う時間を持つ人は、そうでない人に比べて8年寿命が延びます。1日何でもいいので気楽に笑えるもの、例えば娯楽番組などでもいいのかと思います。⑤整理整頓を心掛ける+1年⑥良い物を食べる+6,6年ワイン、野菜、果物、アーモンド、ブラックチョコレート、何だかちよっとイギリス風です。⑦肉の摂取を少なめにする+3,6年⑧夜は良く眠る+5年1日6~7時間眠ると、睡眠不足や寝すぎの人と比べて5年も長生きするという事です。もちろん睡眠の最適な時間には個人差があることはわかっていますから、短い人は無理やり長くしなくてもよいです。⑨歯磨きをする+6年実は我々の体の中でいつも感染症が起こっている部位は歯の周りです。腸の中にはたくさんの細菌がいますが、炎症は起きません。腸の中では全く最近と戦わないのに歯のまわりでは延々と戦っているわけです。がん検診でPET-ⅭTを撮り上から下までスキャンするとがんがある程度わかるというものですがそれによって炎症がどこでおこっているかを見ることが出来ます。すると、どんな人でも一番炎症がよく起きているのは歯の周りで非常に反応が強く出ます。だから歯をきれいにしておくことは非常に重要です。歯周病を抑えると動脈硬化も抑えられます。実はリューマチにもなりにくいと言われています。⑩ペットを飼う+2年これはストレスを減少させる効果があり、血圧も下がります。

要介護になる原因?

「どんなことで要介護状態になると思いますか?」という意識調査のアンケート結果があります。この結果では、1番が脳卒中で、認知症、老衰と続きます。みなさんが心配する介護状態になる理由として考えられるのは脳卒中と認知症だという事がわかります。では、実際にはどんな要因で要支援・要介護になったのか?意識調査より多く、約20%を占めています。認知症になって要支援・要介護になるよりも、実は関節や骨の問題で要介護になる人が多いということです。ですから、血圧やコレステロールをコントロールし、いわゆる脳血管障害のリスクを少しずつ減らすことによって、要支援・要介護状態をかなり遅らせることができます。

85歳を過ぎると、検査すれば半分の人が認知症もしくは認知症の疑いと判断できる状況になりますがそこはあまり自覚するところではありません。頻度が高い自覚症状は、男性は一に腰痛、ニに肩こり。女性は一に肩こり、ニに腰痛、三が手足の関節痛であり、これらは全て運動器の問題です。

「リュウマチ」ですが、これはずいぶん古い言葉です。昔、「リュウマチ」と言っていたのは「関節が痛む」という意味でした。関節が痛い事、ふしぶしが痛い事を何でもかんでも「リュウマチ」と言っていたわけです。

関節リュウマチは免疫の異常により、主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病期です。実は関節リュウマチはそんなに多い病気ではなく、女性でも0,5~1%、男性は0,2~0,3%しかかかりません。つまりほとんどの方はリュウマチにはかからないのです。ただ、関節リュウマチ以外でも手足が痛いということで病院を受診する方は多く、その多くの方は変形性関節症という病気です。

最近、関節リュウマチは治療法が進み、ずいぶん良くなるようになりました。つまり、「治る病気」になったのですが、なかなか治らないのが変形性関節症です。実は変形性関節症は「お年」という事ですがこの二つを見分けるポイントは2つあります。

第一のポイントは関節を触った感じです。痛い部分を触った感じが柔らかく、腫れていて熱いと関節リュウマチ、固くて骨張っていて、冷えていると変形性関節症です。どうやって判別するのかというと、我々の体は左右対称ですから、右手の人差し指の第一関節が痛かったら、そこを触ります。そして、その逆の左手の人差し指の第一関節も触ります。そこで逆側と比べてどうかということで判別します。

もし痛いほうの関節がより骨張っているようであれば変形性関節症、熱がすごくあるようであれば関節リュウマチということになります。(高橋)