医科歯科医療連携・医療安全講習会に行きました(第4回)

医科歯科医療連携・医療安全講習会に行きました(第4回)

米国では、2000年以降、HIV感染例の報告は1名のみです。イギリスでは、2000年以降、HIV感染の報告はありません。

予防内服決定の前に認識すあべきことは①通常感染リスクはとても低い②AZTの予防内服で感染リスクを80%低下できる③2剤以上の予防内服はそれ以上の効果が期待できる④曝露後1~2時間以内のPEP開始が推奨されている(ⅭⅮⅭでは曝露後24~36時間後まで推奨)⑤予防内服は28日間投与する(動物実験での10日間投与では予防失敗が多かった)⑥内服開始後でも、副作用によっては内服中断を検討しても良い。

PEPの予防効果はどれだけ期待できるか?2013年までのガイドライン名で推奨されたTVⅮ/ⅬPV/rによる明らかな曝露後予防失敗例はまだ報告されていません。米国および英国では、2000年以降は職業的曝露によるHIV感 染の確定例は1例しか報告されていません。間接的データからの推論であるが、PEPにより、職業的曝露によるHIV感染はほぼ100%阻止できると考えられます。ただし、速やかな対応が大切です。

予防内服の決定は初回内服は基本的に曝露源のHIV検査結果を待たずに開始すべきです。曝露後可能な限り速やかに初回内服を開始することが重要です。初回内服を終えれば12時間は時間の猶予が出来ます。曝露源がある)では曝露源の HIV検査結果を待ってから判断します。15分でHIV感染が診断できる迅速キットが使用可能です。

PEP開始のタイミングは初回内服を速やかにおこなうこと「〇時間の猶予がある」という理解はしゃ間違い。事故者が妊婦、授乳婦、耐性ウィルス曝露の懸念がある場合ー専門医に速やかにコンサルトする。ただし、PEP開始を遅らせるべきではありません。

曝露後72時間以上が経過している場合、曝露源が不明な時(針ボックス内の針による事故など)は専門医にコンサルトしてからPEP開始します。

日本でのHIV-PEPにおける注意点・・・現行ガイドラインを緊急に改訂すべきか?こんかいの改訂でTVⅮ/ⅬPV/rのPEPの有用性が否定されたわけではない。常備PEP薬を開始後に、必要に応じてPEPやくを変更することも可能です。各施設のPEPガイドラインを緊急に改訂する必要はありません。EZⅭ(エプジコム)は予防内服に用いてはいけないのか?過敏反応と関連しているHⅬAB-01は日本人ではほとんど見られません。白人と異なり日本人ではEZⅭも安全に使用可能と思われます。(高橋)