「睡眠時無呼吸障害に対する歯科の役割」ストップザいびき、そのいびき歯科で治るかもしれません
2004年にOSAに対する口腔内装置が保険収載されて10年が経過しました。OSAに対する口腔内装置(OA)は、睡眠呼吸障害を改善する効果があります。これに加え、患者さんにわかりやすく、重要な効果があります。それは”いびき”を止めるという事です。これはOAの持つ優位性であると考えられます。また、OSAの第一選択とされている経鼻的持続気道陽圧療法(ⅭPAP)と比較しても、携行性が良いことも大きな利点となります。このことから、現在、欧米では、ⅭPAP治療よりも口腔内装置の方が利用率が高いという状態となっていますが、しかし、いまだに日本では広く普及し、歯科治療として一般的な治療とはなっておりません。
そこで我々歯科医師が日常診療で対応すべき、睡眠呼吸障害について説明し、歯科医療との関わり、特に口腔内装置の適応、適切な医科歯科連携の在り方などを述べたいと思います。
また、近年、OSAの根本的な治療法として顎骨・歯列の拡大矯正治療や顎顔面外科手術による顎骨の拡大などが注目されていますがこれは、顎が小さい事で、睡眠呼吸障害がある場合、顎骨の発育時期に適切に上下額を成長発育させ、OSAの発症を未然に防ごうとする考え方であります。これについて顎移動における気道の変化をどうとらえるか?口腔内装置と顎外科手術における気道変化の特徴があります。睡眠歯科医療は、睡眠呼吸障害の改善のみならず、顎機能の向上に役立つものです。
REⅯ睡眠は目が動くのは脳が起きていて、体は寝ています。夢をみているとの睡眠です。急激な眼球運動が出現します。(rapid Eye ⅯovementREⅯ)浅い睡眠は大脳活動は覚醒に近く、記憶の固定、情報整理、、脳活動が役割です。朝方REⅯ睡眠が長くなるので、夜10時から2時の間しっかり寝るのが良いです。
朝ごはんはパンでなく、日本食がベストです。睡眠ホルモンがよくでます。25h/日の生体内時計のズレをなくすることが大切です。正しい睡眠生活を過ごすには早寝;良質な睡眠を構築する。早起き;太陽光(朝日)を浴びることで睡眠ホルモンの調節をする。
”いびき”は何が問題か?高血圧、狭心症などの循環器疾患が多くなる。重症、未治療患者の5年生存率は85%前後。舌がんのステージⅠの罹患率100%。FaialAxis(Fx):息を.吐くときもいびきをかく人はなおりにくい。鼻いびきと口いびきがある。いびきは悲鳴です。
一般的な治療:①NーⅭPAP(経鼻的継続陽性呼吸療法)②口腔内装置③減量、筋トレーニング④睡眠姿勢を考える
マウスピース:①下顎を少し前に出す。口からの呼吸を遮断し、鼻からの呼吸を促す。②舌を前に出す。①の方が効果は高いが肥満患者は効果がありません。舌肥大による気道閉鎖が原因です。SniffingPosition(鼻でにおいをかぐ高さの枕)どのような症例で口腔内装置が有効か?すべての症例で適応可能だがマウスピースを使用してみないと効果がわかりません。有効な症例は下顎の後退したかみ合わせでやせは比較的有効です。無効な症例は肥満の人です。マウスピースは通院が少なく、3か月に1回です。ⅭPAPは毎月です。いびき音テストがあり、水平位に寝て下顎を前に出していびきが止まればマウスピースでいびきが治ります。(高橋)