平均寿命は現在0歳の赤ちゃんが何歳まで生きるかということです。そのため、現在65歳の人は平均して男85歳女87歳まで生きます。現在75歳の人は男87歳女91歳まで生きます。90歳以上の人を超高齢者と言い、75歳以上の人を高齢者と言います。そのため、平均寿命と健康寿命の差を短縮する必要性があります。・我が国だけでなく、先進国の問題です。
日本人の食生活と肥満及び糖尿病患者の推移では、一日総摂取エネルギーは減少していますが、脂質摂取比率が増加しています。糖尿病患者も増加しています。1955年を基準とした栄養素等摂取量の推移では動物性脂質が4,6%増加し、蛋白質は変化なく、炭水化物は0,7%減少し、動物性たんぱく質は2,0%増加し、脂質は2,7%増加しています。
炭水化物を減らすか脂質を減らすか?ベースライン5日で、6日間、炭水化物は減らすか脂質を減らすかして、2週間ベースラインで、再度6日間減らすかします。エネルギーは30%減らします。脂質制限の方がエネルギー代謝に与えます。体重は炭水化物制限の方が落ちます。脱水に注意しましょう。体脂肪量は脂肪制限の方が落ちます。タンパク摂取量がほぼ同じで差がないことから体内のタンパク質燃焼量と考えられます。
加齢に伴う各臓器の変化は体脂肪増加、サルコペニア、骨粗しょう症、動脈硬化です。
糖尿病の人は正常な人よりも3倍サルコペニアになりやすいです。サルコペニアとは加齢に伴う筋肉量の減少で、筋肉量の減少と筋力の低下があります。加齢によって特に男性のBⅯI25未満でサルコぺニア肥満の傾向があります。高齢者では食事摂取の時のタンパク合成能が低下にあり筋肉の分解が進みやすいです。タンパク摂取が少ないと筋肉量の減少のリスクが高いです。タンパク摂取とレジスタンス運動は骨格筋のタンパク合成を相乗的に増加させます。タンパク摂取と死亡率との関係では、低たんぱくでは20%以上増加して、中等度では10~20%くらいで、高たんぱくでは10%以下です。糖尿病ではタンパク制限をする場合がありますが、がん、心血管疾患の死亡率も増加します。65歳以上ではタンパク質を多く摂取しましょう。
日本人の食生活と肥満及び糖尿病患者の推移では、1日総摂取エネルギーは減少していますが、脂質摂取比率は増加しています。糖尿病患者は増加しています。1955年を基準とした栄養素等摂取量の推移は動物性脂質の増加(4,6%)炭水化物の減少(0,7%)動物性タンパク質の増加(2.0%)
運動負荷後のBⅭAA投与はエネルギー制限に伴う筋肉量の減少を予防します。ロイシンの投与により筋肉量の増加が期待できます。若年者はタンパク質量が一定であれば、ロイシン量に依存せず筋肉の合成がされます。高齢者ではタンパク合成の閾値が高くなるために十分なアミノ酸の投与が必要となります。乳タンパクの摂取が筋肉合成に効果的です。ヨーグルトもよいですが無脂肪牛乳が最もよいです。
サルコペニア予防のために①十分なタンパク質摂取が必要である。②分岐鎖アミノ酸特にロイシンは有効である。③タンパク摂取とともに運動療法の併用は効果を相乗的に高める。④高齢者では絶食時間を減らす。(高橋)