まずHIⅤの基礎知識と血液曝露事故への対策についての講習会がありました。
主要先進国におけるHIV感染者の報告数の動向は米国は日本の40倍以上でも、日本以外の米国、英国、フランス、カナダ、ドイツ、オーストラリアでは2004年あたりから減少していて、日本のみ増加しています。AIⅮS患者報告数も日本だけ増加しています。HIV感染≠AIⅮSです。
HIV感染の自然経過は感染後2~4週間で、急性初期感染期といわれ、発熱、倦怠感、筋肉痛、関節痛、咽頭痛、皮疹、下痢、頭痛、無菌性髄膜炎という症状が出て、4~6週でウイルス血症のピークになり、抗HIV抗体陽性になります。6か月から10年で無症状期から中期、中期の終わりごろに発熱、体重減少などが出現してきて、その後、ウイルス量が再度増加してAIⅮS発症し、日和見感染、悪性腫瘍の出現がおきます。
ⅭⅮ4値と日和見感染症については、ⅭⅮ4数200以下で発症の可能性があります。ⅭⅮ4値500で帯状疱疹、結核、カボシ肉腫になり、200以下でニュウモシスチス肺炎、食道等のカンジダ症、さらに低下するとクリプトコッカス髄膜炎、トキソプラズマ脳症発症し、50以下になると播種性非定型抗酸菌症、悪性リンパ腫、HIV脳症で死亡となります。
HIV抗体検査(EIA)いわゆるHIVスクリーニング検査陽性はHIV感染の確定診断か?HIV抗体検査陽性の場合、疑陽性の可能性があるため、確定診断が必要で、確定診断がでるまでは、誰にも話さないように患者さんに勧めておきます。家族だけではなく、患者さんだけに説明します。次に確定診断となった場合患者さんのみに病名を告げます。多くの患者さんは病名通知に動揺するので、治療法が確立している慢性疾患で、多くの人は通常どうりの社会生活を営めていることを説明します。