~口臭治療の最前線~

~口臭治療の最前線~

7/8日曜日に口臭治療の講習会に行ってきました。

まず、口臭の分類として、1、生理的口臭2、飲食物による口臭3、嗜好品による口臭4、病的な口臭があります。そして、問題なのが、4の病的

な口臭です。

病的口臭のうち、90%以上が口腔疾患による口臭です。口腔疾患としては、歯周病、舌苔、唾液分泌の減少、口腔清掃不良、虫歯があります。他

の10%以下が全身疾患による口臭で、胃の病気が原因となることは少ないとのこと。

生理的口臭とは、誰にでも口臭はあり、1日のうちで強くなる時と弱くなる時があります。一番口臭が強いのは、朝起きた時で、朝食摂取すると

必ず口臭は基準値より下がり、水だけでは下がらないので朝は固形物を食べるようにしましょう。

そのほかに、心因性の口臭がありますが、口腔清掃状態は良好で、カウンセリングだけの場合と心療内科に受診するように紹介する場合とがあります。

口臭の検査としては、ガスクロマトグラフィーによる精密検査、ガスセンサーによる口臭測定器による検査、官能検査(術者の嗅覚による検査)と

3種類ありますが、官能検査は必須です。

口臭物質の生成機序は、口腔粘膜のはがれた粘膜上皮、血漿成分に口腔の細菌が有するタンパク分解酵素が働き、タンパク質の低分子化が起こり、

硫化水素(H2S)メチルメルカプタン(CH2SH)ジメチルサルファイド(CH3)2Sが発生するということです。

口臭対策としては、セルフケアとプロフェッショナルケアがあります。セルフケアは自分で行う対策で、プロフェッショナルケアは歯科医院で行う

対策です。セルフケアは自己点検、ブラッシング、舌清掃、洗口剤、ガム、口中清涼剤で、プロフェッショナルケアは、定期検診、歯石除去、保健指導、健康教育、PMTC、歯科治療です。

口臭予防製品はいろいろありますが直接口臭を防止する作用は弱く、香料でにおいを隠す遮蔽効果や、精神的に安心させる心理効果の方が大きいと考えられます。口臭抑制効果のある洗口剤やスプレーを使用しても、口臭発生の原因を除去しなければ、その効果は一時的です。

その他、舌清掃について少し説明します。鏡に向かって舌を出してみると、白色や淡黄色の苔のようなものがついているのに気づいたことはありませんか?これは、舌苔といって死んだ細菌や新陳代謝によってはがれた口腔粘膜上皮細胞が主で口臭の原因物質である硫黄化合物(H2S)を発生します。うがいしても舌苔は除去できません。舌ブラシや柔らかい歯ブラシを使って除去することが必要です。舌の清掃のポイントとして、1、1日1回起床直後に行う。2、水にぬらしただけのブラシで行う。3、歯磨きの前、朝食前に行う。4、できるだけ舌を前方に出して行う。5、鏡をみて舌苔が取れたか確認する。

日本全国の歯科大病院で口臭外来はありますが、保険適応ではないそうです。以上口臭治療の最前線でした。(高橋)