無理なく続ける運動と健康づくりのコツ(第10回)

無理なく続ける運動と健康づくりのコツ(第10回)


寿命と関連の強いものはいろいろな研究がされていますが、タバコよりも強力に人の寿命と関連することが明らかになっているものがあります。第1位は、お酒でもたばこでもない、運動でも高血圧でもない、実は人とのつながりだったのです。たとえば、ご友人、ご家族やご近所とのつながり、信頼の度合いが一番強力に私たちの長生きや健康づくりにつながっているということです。普段からいろいろなコミュニケーションをとっていくことが健康づくりにつながるのではないかと思います。

いい行動を始めるコツ、続けるコツ。仕事のための行動から環境美化活動のための行動にいたるまでいろいろな「良い行動」を続けるためのコツ、始める為のコツについてです。いいと分かっているけど難しいよねというものはたくさんあります。これは運動に限らず、たとえば、たばこを吸っている方なら、禁煙しないといけないことはまさにそうです。こういった難しいことを続けるためのコツをまとめた様々な知見がありまして、行動変容技法というものがあります。その代表的なものをいくつか紹介します。

まず1つは、刺激のコントロールです。これは刺激を自分でコントロールしてあげることになります。たとえば、運動だと歩くための靴や服を買って、それを玄関や自分の見えやすい場所・位置に置いておく方法が考えられます。

パッと「運動しなければいけなかったな」というのが目に付くようにわかる、たとえば、冷蔵庫にストレッチの絵や写真を貼っておく、あるいは脚を鍛える運動のポスターみたいなものを台所の前のところに貼っておくと言った工夫などをするといろいろな行動を続けやすいことが分かっています。

2番目は家族・仲間の支援です。自分としては何もしていなくても家族や仲間が健康のための声かけや、一緒に運動をしてくれること。それが一番ありがたいですが、そうならなくても、家族を自分から散歩に誘ってみる、あるいはそれが難しかったら友人や近所の方、気の合う仲間に「自分はこれから散歩を始めるから」と宣言する。そうすると見守ってくれる優しい方がたまにいて「あれ、どうなったの」とか「頑張っているね、偉いね」と言ってくれる。そしてうれしくて、ちょっとやろうかなと言う気持ちにもなる。自分の仲間を身近にどんどん作っていくことがテクニックの1つとしてあります。(高橋)