アルツハイマー病の初期の10年くらいの軽度のサインはこのような症状です。「最近あったことを忘れている」のうち、40代から始まる「もの忘れ」=正常な「加齢」=老いは後で思い出せるが認知症は出来事を丸ごと忘れる。アルツハイマー病の危険因子は長寿のため気をつけられない。長寿を礼賛する社会であれば認知症も肯定しなければいれない。「治す」ばかりのメディア情報が多く、2014年NHKスペシャル「認知症を食い止める」で放送された「鼻からインシュリン噴霧、ココナッツオイル、アロマセラピー」と同じっことでまだ研究途上のため、過剰な期待とあおるのみです。
アルツハイマー病を中心に中核症状とBPSⅮ(認知症の行動心理症状)①進行する治らない症状(中核症状)・・・記憶障害、日付の間違い、家事ができない、服が着られない、道に迷うなど②出ることがある症状(BPSⅮ)は不快な生活・介護・・・不機嫌、怒りっぽい、寂しさ、うつ傾向、身体症状(息苦しさ、動悸、しびれ・・・)物取られ妄想、嫉妬妄想、幻覚、不眠、興奮、拒否、徘徊などでみんなに出るわけではありません。しかし、これらの症状の根治療法はありません。
確率は少ないが治る認知症もあります。①薬害による認知症(せん妄)は”悪い薬”をやめたらよくなる。②アルコール性認知症はアルコールをやめたらよくなる。③正常圧水頭症(認知症症状+尿失禁+歩行障害が特徴)で脊髄液を抜けば回復可能性あり。④硬膜下血腫(頭痛、ふらつき、手足の麻痺なども出たら可能性あり)は手術でよくなります。⑤うつ病、てんかんは薬物療法で良くなります。⑥甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏症は補充療法で改善の可能性があります。
認知症の治療1「活動+交流」環境作り⑴人の環境=ケア、介護で張り合い(趣味・楽しみ)が出来るお膳立てで介護保険(デイサービス、ヘルパー)活用。本人のプライドを傷つけない対応・声かけで意欲・不安の改善、認知機能の維持⑵物理的な環境は昼夜のリズムのある生活、衣食が満たされていること困った行動に向精神薬か?きんさん、ぎんさんはなぜ認知症にならなかったのか?注目してくれる人の力ですか?
認知症の治療Ⅱ薬を補助的に飲む⑴中核症状(記憶障害)に対しては抗認知症薬があります。飲み薬3種類張り薬1種類。アルツハイマー型認知症(1剤はレビー小体型も)が対象で進行を週か月~1年半ほど遅らせることがあります。⑵BPSⅮに対しては睡眠薬で寝つきを良くしたり、抗精神病薬で副作用(パーキンソン症状、眠気、ふらつき)に要注意です。漢方薬「御肝散」はイライラや不安を和らげます。
しかし、薬に頼りすぎる傾向があります。期待は禁物です。家族の治るかもという過剰な期待は抗認知症薬には限界があります。みかけの進行抑制、効果がない人もいる、効いた実感がない、効いたかどうかの判定が難しい。副作用に要注意です。副作用が出たらすぐ薬はやめます。アリセプト、レミニール、リバスタッチ、イクセロンは吐き気、食欲低下、興奮。メアリーはふらつきが見られることがあります。
なぜ、脳トレは効果があったのか?最初効果がありました。やっているところを見て声かけしながらやると良いでしょう。(高橋)