肺がん疾患啓発のための市民公開講座に行きました(第4回)

肺がん疾患啓発のための市民公開講座に行きました(第4回)

医師とともにベストな治療を選択 実際の治療は、まず放射線療法や薬物療法への反応が異なる非小細胞がんと小細胞がんで分けられます。非小細胞がんは早期から転移しやすいわけではないものの放射線療法、薬物療法が効きにくいため、Ⅰ、Ⅱ期の早期症例には手術を選択します。一方で小細胞がんは早期から転移しやすく、薬物療法を選択すべきだと考えられています。 そのうえで、各病期に応じた治療法が推奨されていますが、集学的治療が進行期だけでなく、比較的早期の肺がんに対して確実に治すために試みられたり、緩和ケアが放射線療法や薬物療法と並行しながら、治療に伴う痛みや呼吸困難を取るために行われたりとバリエーションに富んでいます。重要なことは、患者さん自身が担当医と相談しながら、時にセカンドオピニオンを利用して、自分自身の状態を理解し、納得した上でベストな治療法を選ぶことです。 光線力学的(PⅮT)とは?光線力学的治療は、腫瘍親和性光感的物質(フォトフリン/レザフィリン)を注射し、気管支鏡を挿入して病巣にレーザー光線を照射させる方法です。PⅮTは、治療後に光線過敏症対策として紫外線対策が必要です。また、適応が中心型早期肺がんに限定され、がんの大きさが1cm以下、深さが3mm以下等施行の条件が細かく決められています。しかし、これらをクリアすれば、体への負担が軽く、完治の期待が大きい治療法です。 全身状態をみるパフォーマンス・ステータス(PS);グレード0症状がなく、発病前と同じように社会活動できる。 グレード1軽度の症状はあるが、歩行や家事、デスクワークはできる。グレード2歩行や身の回りのことはできるが、介助を必要とすることもある。グレード3身の回りのことはある程度できるが、しばしば介助を必要とする。日中の半分以上の時間を横になって過ごす。グレード4寝たきりの状態で、常に介助を必要とする。 組織別・病期別治療法の概略。非小細胞肺がん;Ⅰ期~手術。ⅡB期、ⅡA期、ⅡB期、ⅢA期~手術+術後補助、化学療法。ⅢA期、ⅢB期~放射線療法+薬物療法。Ⅳ期~薬物療法、緩和ケア。一部に術後補助化学療法を行う場合があります。手術を単独で行う場合と術前化学放射線療法後に手術を行う場合があります。小細胞肺がん;Ⅰ期~手術+術後補助+化学療法。Ⅱ~Ⅲ期~薬物療法+放射線療法。Ⅳ期~薬物療法+緩和ケア。 肺がんの手術はどのように行われますか? 手術は根治を目的に、がんが限られた範囲にとどまり、全身状態が手術に耐えられ、術後の呼吸機能が保たれる場合に実施されます。がん病巣の部分だけでなく、病巣のある胚葉や周囲のリンパ節なども一緒に取り除くのが一般的です。手術は、体内のがんをすべて切除し取り除く(根治)ことが可能ですが、術後に肺炎、肺塞栓、膿胸、気管支ろう、声のかすれ、無気肺などの合併症を生じることもあります。しかし、合併症のリスクは対策を講じればある程度減らすことができます。根治が期待できるならば、手術は第一に考えるべき有効な治療です。 一般的に、がんが限られた範囲にとどまって範囲にとどまっている場合、非小細胞肺がんではⅠ期、Ⅱ期(ときにⅢA期)に早期から転移しやすい小細胞がんではⅠ期のみに手術がすすめられます。ただし、手術で根治が望めても、手術自体の負担により全身状態が悪化したり、術後に十分な呼吸機能を保てなかったりする場合は、手術以外の方法を検討します。(高橋)