まず、感染症の基本知識について。
感染症とは人と病原体との間に起こる反応です。感染症と他の疾患との違いは、感染症は人にうつるということです。病原体の種類;ウィルス(風邪、インフルエンザ、ノロウィルス等)細菌;溶連菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌等)真菌;カンジダ、アスペルギルス等)寄生虫;マラリア、赤痢アメーバ等)感染症は「人と病原体との出会い」によって起こり、接触感染、飛沫感染、空気感染があります。
新型コロナウィルス感染症(ⅭOVIⅮ-19)は原因ウィルスがSARS-ⅭoV-2で2019年12月に発生して、流行は世界中に拡大しています。宿主動物は不明で感染者数は2020年11月18日現在で55,400,024人、致死率は2,4%、感染力は1人から2~3,5人、潜伏期間は1日~14日です。2019年12月28日に中国の海鮮市場に関連した肺炎症例の把握が始まりです。2020年1月13日に中国以外の国(タイ)で感染症の症例が報告されました。
SARS(旧称急性呼吸器症候群)キクガシラコウモリからハクビシンに感染して、人の感染しました。ⅯERS(中東呼吸器症候群)はキクガシラコウモリからヒトコブラクダに感染し、人に感染しました。新型コロナウィルス感染症はキクガシラコウモリから中間宿主不明でヒトの感染しています。
潜伏期間中央値は5,1日で2,5%未満の人が2,2日以内に症状を呈します。97,5%の感染者は11,5日以内に症状が発現します。
新型コロナウィルス感染症と風邪、インフルエンザの症状の違いはインフルエンザでは息切れ、嗅覚・味覚障害はなく、新型コロナウィルス感染症では鼻水は出ません。他の咳・発熱・筋肉痛・寒気・震え・倦怠感・咽頭痛は新型コロナウィルス感染症の方がインフルエンザより強く現れます。風邪は鼻水、くしゃみがでますが、新型コロナウィルス感染症、インフルエンザではあまり出ません。ウィルス量は発症時から2日が一番多く、全体の20%が中等度感染で肺炎の悪化を伴います。重症は全体の5~10%でそのうちの2%が死亡します。
新型コロナウィルス感染症に感染したときの基礎疾患とは喘息、肥満、糖尿病、慢性腎臓病、重度の肥満、心血管疾患、脳卒中の既往、ⅭOPⅮ(慢性閉塞性肺疾患)を示します。入院のリスクは喘息Ⅹ1,5倍、高血圧Ⅹ3倍、肥満(BⅯI≧30)Ⅹ3倍、糖尿病Ⅹ3倍、慢性腎臓病Ⅹ4倍、重度の肥満(≧40)Ⅹ4倍、2つの基礎疾患Ⅹ4,5倍、3つ以上の基礎疾患Ⅹ5倍。
イタリアで新型コロナと診断された143人の発症から約2か月後も続いていた症状では呼吸苦43%、関節痛27%、だるさ53%、胸痛22%、その他倦怠感、咳、嗅覚障害、目や口の乾燥、頭痛、痰、食欲不振、のどの痛み、筋肉痛、下痢などです。
フランスで新型コロナと診断された279人の発症から約110日後も続いていた症状では倦怠感55%、呼吸苦42%、記憶障害34%、睡眠障害31%、集中力散漫28%、脱毛20%などです。脱毛は新型コロナの遅発性症状で全体の約2割の人に見られました。症状持続期間は平均76日、コロナ発症時には全く見られないが、発症後30日くらいから出現し、発症後129日くらいまで見られます。
2回目の感染の間隔の平均は約5か月で一番短期間の人は13日、最長123日で主に1回目が無症状か軽症の人です。しかし、2回目は中等度から重症の人もいます。(高橋)