「専門医に学ぶ乳がんの正しい知識」というがん検診講演会に行きました(第6回)

「専門医に学ぶ乳がんの正しい知識」というがん検診講演会に行きました(第6回)

精密検査が必要となった場合は乳腺専門医のいる医療機関に行きましょう。自覚症状のある場合も受診しましょう。 視触診では、腫瘤(しこり)皮膚の発赤、浮腫(炎症性変化)乳頭異常分泌(特に,血性)乳頭部びらん,腋下リンパ節腫大の観察になります。 よく診るがん以外の疾患としては、乳腺は皮膚の一部なので皮膚疾患も多く、乳腺の良性疾患では、乳腺症、乳腺炎などがあります。 乳腺症は老化現象で、日常診療の中で、最もよく使われる言葉です。マストパチー(Ⅿastopathy)、繊維嚢胞症(FibrocysticⅮisease)ともいいます。長期に渡るエストロゲンの変動にさらされるために起こる変化です。乳腺に増殖、萎縮、繊維化などの組織学的変化が混在します。無症状の場合と自覚症状がある場合があります。自覚症状としては、しこり、小さな結節、張り、ゴリゴリ感、乳頭分泌などです。多様な臨床像があり、波もあるので時に、がんとの鑑別診断に苦慮します。35歳~45歳女性に多く、閉経後には急激します。顕微鏡で見て初めて診断がつくが、臨床上、乳癌ではない場合によく使われます。 繊維腺腫(Fibroadenoma)は乳腺の中の繊維成分と腺上皮が混在した腫瘍で、乳腺の代表的な良性腫瘍で、20歳代に多く見られます。表面は滑らかで、くりっとした円形あるいは楕円形で良く動きます。ノッチを触れることもあり、硬さは普通の消しゴム程度です。臨床的に繊維腺腫と診断されても、実は乳癌ということがあります。増大傾向のあるもの、30歳代で初めて気づいたものなど少しでも疑問があれば、細胞診、組織診が必要です。 乳腺炎(Ⅿastitis)は急性乳腺炎と慢性乳腺炎があります。急性乳腺炎はうっ滞性乳腺炎は授乳期で乳汁の排出障害が原因で、急性化膿性乳腺炎は細菌感染でうっ滞性乳腺炎から移行する場合があります。慢性乳腺炎は乳輪下膿瘍は乳腺炎を繰り返して難治性瘻孔を形成します。その他、乳管拡張症、肉芽腫性乳腺炎、結核などがあります。炎症性乳癌に注意が必要です。皮膚のび漫性発赤、浮腫、硬結を示す乳がんで、通常、腫瘤は触れない予後は不良です。 乳癌の診断で使われる画像検査としては、診断のためにマンモグラフィー、エコー、ⅯRIで、転移・再発診断のためにⅭT、骨シンチ、PETです。病理診断では、細胞診、組織診があります。精査の結果、乳癌でなかったら、異常なしの場合は検診か人間ドックで、気になる所見がある場合は経過観察して変化があったら再度精査で、変化がなければ検診かドックです。いずれの場合も自己検診は必要です。症状のある時は受診しましょう。(高橋)