まずは肺炎の概要についての説明がありました。
肺炎は風邪をこじらせた程度でも発症しうるありふれた疾患です。しかし、日本人の死亡原因として第3位にランクインしており致命的となることもあります。肺炎の死亡率は特に高齢者で高く、.75歳を過ぎると急激に増加します。肺炎で死亡する人の94%は75歳以上であり、90歳以上では死亡原因の2位にあたります。
風邪と肺炎の違いは風邪が上気道の細菌・ウイルスが感染して炎症を起こします。肺炎は肺胞が炎症を起こすのでガス交換に障害が生じて息苦しくなります。
65歳を過ぎると肺炎の入院率がたかくなります。診断は1、症状・・・咳、痰、発熱、呼吸困難2、診察(聴診など)3、検査(レントゲン・CT・血液検査など)レントゲンとCTでは肺炎の部位は白くなります。白くなると入院です。肺炎球菌は肺以外にも悪さをします。鼻やのどに保菌し、外傷などにより直接、脳・鼓膜に、血液を介して脳・鼓膜に、脳に感染をすると髄膜炎になり重症になります。
予防するには、手洗い、うがい、マスク。風邪を引いている人には近づかない。禁煙。肺炎球菌ワクチン接種。主な肺炎の原因菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、クラミジアニューモニエ、マイコプラズマニューモニエ。
肺炎球菌ワクチンは特に重症化しやすい肺炎球菌に対する免疫力を高めます。肺炎球菌感染症は、季節に関係なく発症する可能性がありますので、65歳以上の方はなるべく早めに検討することが大切です。65歳以上になりますと、加齢とともに免疫を司る細胞の数が減少し、免疫力が低下するため、どんなに元気でも肺炎球菌による感染症にかかるリスクが高くなります。
肺炎の治療は原因菌に対する抗生剤治療をします。
肺炎は病院や老人ホームでも起こります。主な原因としては1、誤嚥性肺炎2、インフルエンザ後の2次感染3、透析など血管内治療による耐性菌肺炎(ⅯRSAなど)4、免疫抑制薬、抗ガン剤治療による日和見感染
次回は誤嚥性肺炎について説明します。(高橋)