肺がん疾患啓発キャンペーンセミナーに行って来ました(第5回)

肺がん疾患啓発キャンペーンセミナーに行って来ました(第5回)

肺がんの手術の切除範囲は病状により異なります。手術は全身麻酔で行われます。最近、早期がんでは胸腔鏡を併用して小切開で行われるようになっていますが、通常、背中から体の外側にかけて7~15cmくらい皮膚を切開(後側方切開)して胸を開けます。続いて、肋骨と肋骨の間の筋肉を切り開き、がん病巣と病巣のある肺葉や周囲のリンパ節など(リンパ節郭清)を一緒に切除します。肺は右が3つ、左が2つの肺葉に分かれており、がんの状態によって、1つ以上の肺葉、あるいは片肺すべて(一側性全摘)を切除します。(標準手術)ただし、全身状態や術後の呼吸範囲を狭めることがあります。(縮小手術) 術後2~4日間は、肺を取ったところに溜まる血液や体液、空気を対外に出す目的で、胸腔内にドレーンと呼ばれる管を挿入します。とくに問題がなければ、手術の翌日から酸素吸入が不要になり、食事、歩行が可能で、2週間前後で退院できます。根治率を高めるために術後補助化学療法が行われることも踏まえて、術後合併症を防ぎ、回復を早めるためにも早くベッドから起き上がり、歩行や腹式呼吸などのリハビリに努めることが大切です。 肺がんの切除方法:①縮小手術には楔状切除と区域切除があります。楔状切除はがんのある部分を含めて、がんより1~2cm離れた正常と思われる肺を楔形に取り除きます。区域切除はがんのある部分を含めて区域を取り除く手術で、楔状切除より大きい範囲を取ります。②標準手術には肺葉切除と一側肺全摘があります。肺葉切除はがんのある肺葉を取り除きます。一側肺全摘はがんが発生した側の肺をすべて取り除きます。 手術からの回復を早めるポイント:①合併症を防ぐために喫煙者は診断がついた時点で禁煙する②手術後はできるだけ早くベッドから起き上がり、歩く練習を開始する③痰が出やすくなるように腹式呼吸をする(手術前にも練習しておく)④手術後、自分でも積極的に痰を出す 肺がんの放射線療法はどのように行われますか?放射線療法では根治をめざすほか、症状緩和、転移や再発の予防などを目的に単独あるいは化学療法との併用で、直線加速器(リニアック)から発生する高エネルギーⅩ線を何度も繰り返し照射する治療が行われます。 放射線は、分裂中の細胞のⅮNAを損傷し、分裂・増殖を阻止します。この性質を利用し、分裂スピードの速いがん細胞を破壊するのが放射線療法です。肺がんでは、放射線単独で全身状態から手術できないⅠ期、Ⅱ期の非小細胞肺がんの根治をめざすほか、抗がん剤と組み合わせて治療効果を高める(化学放射線療法)、骨や脳への転移による症状を緩和する、小細胞肺がんでは脳への転移を防ぐなどの目的で実施されています。直線加速器(リニアック)から発生する高エネルギーⅩ線を体の外側から照射するのが一般的です。1回の治療時間は10~15分程度(初回を除く)で、うち放射線が出ている時間は1~2分です。(高橋)