帝京大学の公開講座に行きました(第5回)

帝京大学の公開講座に行きました(第5回)

変形性関節症の場合、我々ができることの一つは運動療法です。水中歩行を始め、家庭の中でできる簡単な運動、ストレッチをするようにしましょう。すると、関節の動く範囲が広がったり、関節の周りの筋肉が鍛えられたりして、関節に掛かる負担を減らすことができます。それから、生活の中では長時間歩き続けたり、繰り返し階段を昇り降りしたりすると、特に降りる方では衝撃が加わりますから、過度な運動は避けるようにしましょう。また痩せるようにしましょう。

さて、変形性関節症にサブリメントが効くのかということですが、ヒアルロン酸やグルコサミンが入っているサブリメントは効くかもしれません。しかし、中には信頼性の低いものや高価すぎるものがあります。「高いほうが効くんじゃないか」と思いがちですが、関係ありません。

家庭の中でできる運動療法。まずあおむけになって片膝を立てて、もう片方の膝を上に10センチほど上げて、5秒数えてから下します。これを10回行います。この運動の良い所は寝たままできることです。これの違うバージョンは、横になって寝て足を横に10センチぐらい上げる。これも5秒数えて下します。次はうつぶせになって、後ろ向きにも上げます。5秒数えて下す。それぞれ片足を10回ずつやります。あとは階段を昇るこのです。昇るとわかりますが最初は二階まで続けて昇ると、いったんは止まらなければならなかった人が三階まで昇れるようになり、四階まで昇れるようになります。鍛えれば、筋肉は20代でも60代でも全く同じペースで付きます。もちろん関節の機能そのものは衰えているのですが、筋肉は鍛えれば必ず付く。それが筋肉の良い所です。ですから階段は昇る。その代わり降りるときはエレベーターを使いましょう。

これまでの運動はかなり悪い方向けでしたがこれから短時間ですごく心肺機能が上がるトレーニング「タバタ式」です。タバタ式は、もともと立命館大学の田畑先生が開発したトレーニング方法であのスピードスケートで金メダルを取った清水選手がやっていたことで有名です。二十秒全力、十秒休みを八回繰り返す。全部で四分しかなりません。これを週三回、三か月続けると、最大酸素摂取量と運動能力が30%も上がるというトレーニングなのです。これはどんな運動でも構わないです。そのスポーツに最適化した動きでいいです。トレーニングを四分間、週三回やるだけで非常に心肺機能が良くなるということで、この「タバタ式」は全世界で大流行しています。

関節リュウマチはどんな病気?最近、リュウマチの治療は非常に良くなって、治る病気になってきました。治るといっても残念ながら病気がどこかに行ってしまって、薬が全く必要なくなることではありません。しかし、病気をしっかり抑え込んで全く症状もなく「あら、私本当にリュウマチだったのかしら、お薬飲み続けなきゃだめ?」という状況にはなれます。(高橋)